動機

1年と少し前、ドイツ語の授業の最初にドイツ留学があるよーってお知らせがあって、いいなーかっこいいなー行くなら今年か来年かー。まあ今年は恋人がなんかいうだろうから無理だし来年もきっと一緒だろうから無理だよなー。とか思ってた。まあ家族じゃないんだし行きたきゃ行けよって感じだけど。
月日は流れて春休み。1月末からながーい春休みで、もう3月も半ばかー。夏休みに続きなーんにも成長のない長期休暇だったなー。もったいないなー。まあしょうがないかなあ。とか思ってたところの大震災だった。地震がきたとき、人生で初めての震度5強で、なにこれどうしたしんじゃう!って本気で思った。結局わたしは生きていて、今日もおかしぽりぽりしながら課題やってる。でもそのときテレビでは津波くるぞーってずっといい続けたり、津波にいろんなものが飲み込まれてくさまをずーっとずーっと流してて、これでわたしのなかのなにかがかわってしまった。たぶん。もし地震来なかったら、毎日泣きはらしながらでも恋人とまだ一緒にいたかもしれない。もしも話をしてもしょうがないけど。
ほんのちょっとでも「しんじゃう」って思ったことと、たくさんの人がしんだりものすごく苦しんでるさまを延々と見続けたことでしばらくわたしの頭はぐるぐるだった。
感覚で動くわたしは何か頭で結論を出してから動くわけでもなく、それゆえ「どうしてわたしがドイツに行くことを決めたのか」っていうのはすごく難しい。たぶん「どうして山に登るの?」「そこに山があるからさ」っていうのに似ているところがあって、わたしが何か、何でもいいから何か(たとえばボランティアだとか)したいっていう気持ちがあって、そのとき目の前に出されたのがこの留学だったんだろうなっておもった。勿論ドイツには興味があった、けど親にお金出してもらったりいろんな準備する労力とか、いろいろがこの状況じゃなかったらできなかったよなって思う。
人ってこんなにぱったり絶大な力で消えてなくなるのかな、とか思ったらすごく怖くなって、わたしいましんだら19年を有効に使った気が全然しないなって思って、もったいないなって思った。なんでもいいからなんかしたいなって思った。結局しなかったけど、ほんとうはあっちまでいって何かしたいなって思ってたりした(それが懸命か分からなかったからしなかったけど、もしかしたらそんなこと考えずにやったほうがよかったかもしれない)。3週間行ったところで19年と半分をうまく使えたとまで思えるようなことはないんだろうけど、それでもわたしはなにかをしたいと思った。
出発まであと1週間