しあわせ

大学に通えば必ず生まれてくる空き時間。今その時間がどんな講義よりも楽しいし哲学でたまらなくいとおしい。みんなでくっだらないことをあーでもないこーでもないそれは矛盾だ、逃げだとか言いながらくっだらないことを議論するのが本当にたのしい。
こうなるためには人生のすべてが欠かせなくてすべてを抱きしめてありがとうを言いたいくらい本当にたのしくってしかたがない。
今日の空き時間は何の気なしにともだちと学校の裏山に行って紅葉のあまりの美しさに涙さえでそうな驚きを覚えて、冬の空気を感じたりしながら散歩をした。もう会話すらまともにできないくらいにきれいで、追いつめられるような日常のほんの背中合わせにこんなうつくしいもののあるしあわせさとにくたらしさで頭がいっぱいになった。
まだもう少し時間があると入った喫茶店で甘いコーヒーを飲んだ瞬間に、ぶちのめされるくらいの幸せがふたりに襲いかかってきて、しばし無言で、のち一人は吹き出し一人は涙しそうになった。しみじみしあわせを転がしてみたり、日々の小さい困難を見下ろしてみたり、いやーなことを目を三角にしてあーだこーだ言ったりして時間をすごした。思考がここまで発達して(主に年齢的な問題で)、かつこれだけ時間を有していないとできないことで、涙が出るほどうれしいのに、悲しいくらい有限であることを分かっている。
そういうしあわせ。