てつがく

とうとう、とでもいうべきか、私が哲学科にはいる切っ掛けそのものとも言える女性にお会いしてきた。会ってしまった。彼女はid:mellowbrainさん。彼女への愛とも呼べるような感情など思うところはいろいろあるのだけれど、それはおいといて、素晴らしい今日の日のことをできるだけたくさん書きたい。
実際にお会いした彼女はブログの研ぎ澄まされた文章から想像できないほどに、非常に愛らしく、柔らかい方だった。それでいて、やはり4年哲学科にいた人で、本当にたくさん勉強されていて聞く話はすべて興味深くてたまらないものばかりだった。自分のスタートの遅さだとか、現在の不勉強さを恥じる間もないくらいに彼女の知に引き込まれてしまった。彼女は哲学へのパッションであふれていた。もしも哲学が好きで好きでたまらなくてそれで人生立ち行かなくなってもきっと彼女は幸せだと感じるのだろう、と私が勝手に思うほどに彼女は哲学のなかで生きていた。
光栄にも彼女とは実に多くの共通点をもっていて、これほど全面的にシンパシーを感じる人はいないんじゃないかと思った。哲学(科)への愛、女性の最高に大事な臓器に問題を抱えていること、吃音、好む音楽…挙げたらきりがない。いろいろな言葉を並べるのと同じか、それ以上にこの共通点たちは重い。
・哲学科の学生があまりにいとおしいのはきっと、たとえば海外でぽつんと過ごしているときに、日本語が通じる人に会ったときのように(きっと。私はそれを体験したことがない。)、同じ言語で満たしてくれるからだ。社会生活においてまったくと言っていいほど価値のないことがらについて頭をひねることができる幸せを知っていて、気づくことや分かることにエクスタシーさえも感じられるものどうしだからだ。
・ものすごく衝撃をうけたのは「卒論、楽しんで書いてね」の言葉だった。イメージと、追いつめられている先輩たちの様子から、あたかも苦行のように思っていたけれど、それはまったく違っていて、少なくとも私は好きで哲学科にいて、その集大成である卒論が苦行なんてことは本来あってはならないことである。好きでここまでやってきて、そのベストアルバムが退屈なんてことはないのだ。たくさんの快感をくれた問いたちや、自分のパッションを余すことなく詰め込む先が卒業論文なのだ。だから私は、まだ何を題材にするかなんて決められないけど、情熱のままにたくさん吸収していくほかないのだ。もったいなくてゆっくりしか読めないけれど、彼女の卒論をお借りして、最初の1ページを読んだとたん、いかに彼女が知を愛しているのか、ということが飛びこんできて、わたしは興奮した。大事に、一生懸命読ませていただきます。

わたしは、本当に本を読むのが苦手で、今となっては絶望するくらいの性質なんだけれど、その性質を捻じ曲げてでも、今いる場所で出来うる最大のことをしきれるように、戦おうと思った。
哲学するのだ!